適当にトリミングしてから縮小しています。クリックすると大きくなります。(たぶん)最近の写真はW=1500pxです。拡大表示するとぼやけます。

  

2013/05/14

広角マクロで飛翔撮影覚書(5/14)


これまで随分蝶の飛翔写真を撮ってきましたが、小さめの蝶はどうしてもうまく撮れません。
これをなんとかするにはどうすればよいか。昨秋の課題はまだ残っていたのでした。

AT-X107 10-17mmFisheyeZoomに何気なくテレプラスをつけてみました。
フィッシュアイにテレコンを付けると焦点距離が長くなるのと同時に球面収差を和らげ、被写界深度は変わらない、というのをどこかで見たことがあります。
要は撮りやすくなるかな〜という期待を持って試してみました。

結論から言ってしまうと、「これはあまりよくない」です。
アゲハチョウ でかいゴーストが出てます。
コミスジ 画面全体にこれはレンズフレアか
ウスバシロチョウ 翅縁に色収差の青いニジミ、光芒もよくない
①レンズフレアだかゴーストだかが激しく出ます。
②色収差が倍増。
③今までの距離感覚ではフレームアウトが多発。←画角が変っているので
④被写界深度は変化があるかわからなかった。

③はまあ何とかなるにしても①、②はいけません。特に①は致命的です。
太陽を取り込んだフレーミングを多用する私にとってはこれは最悪です。
太陽が写りこんでいなくても、逆光気味だと激しく出るのはどうにもなりません。
②はもともと広角レンズは収差がでやすく、このレンズも色収差はありますが、それが倍増してしまって目立ってしまいます。
ただしこの組み合わせは、順光ならば画質はあまり悪くならない感じです。
キアゲハ 順光の場合
ということで、期待外れに終わったテレプラスでした。
誤解を招くといけないので、一言。
アポランター90mm+テレプラスは非常に良いと思います。
ツバメシジミ APO-LANTHAR 90mm+テレプラスx1.4
要はマスターレンズとの相性ということになるでしょう。
これは使ってみないとわかりません。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、改めていままでの撮影設定を再検証してみます。
レンズの焦点距離、ピントを合わせる距離、被写界深度の関係を表にしてみました。

 焦点距離 絞り 置きピン位置 レンズ先端からピントの合う範囲
        (レンズ距離目盛) (被写界深度)
① 10mm  F8   35cm      10cm〜70cm 
② 17mm  F8   35cm      17cm〜32cm
③ 17mm  F8   20cm       7cm〜11cm
④ 10mm  F8   20cm       4cm〜18cm
⑤ 10mm  F11    20cm       2cm〜25cm
※1:この表はEOS-7Dの場合。ちゃんとした計算式で出していますが、至近距離の場合とインナーフォーカスレンズの場合(このレンズが該当します)誤差が大きくなるということであくまで参考値となります。
※2:AT-X107全長71.1mm、EOS7Dフランジバック44mm、レンズ最短撮影距離140mm、レンズ先端からの最短撮影距離は24.9mm。
※3:絞り値で被写界深度が変わるので、露出は絞り優先オートもしくはマニュアルで設定してます。←この辺シャッタースピード優先で試したことがありません。

これによると①の設定だと10cmから70cmとかなり広い範囲でピントが合いますが、
70cmの距離で大きな蝶を撮っても風景の中の点ぐらいにしか写りません。
いままで試して②の設定を標準設定にしていますが、ピントの合う範囲はかなり狭くなります。
しかも小型の蝶だと17cmの距離でもこれまた小さく写ってしまうのです。

それで置きピン位置をさらに近くに設定すると、
③の場合7cm〜11cmという狭い範囲しかピントが合いません。飛んでいるチョウをこの範囲に捉えて追従することはほとんど無理です。
ピントの合う範囲を広げるには④、⑤の設定にします。
この設定でも結構難しく前ピン、後ピン大量生産です。しかし③よりはかなり範囲が広いので、「まぐれ」でうまくいく場合があります。
④の設定で撮影した写真
ツバメシジミ 設定④ こういうのがコンスタントに撮れればいいんですが
ツバメシジミ 設定⑤
コツバメ 設定⑤
わかったのは、写したい蝶の大きさで撮影距離と焦点距離は決まってしまう。
これは当然といえば当然のこと。

ということは、被写体の蝶にいかに近づいて撮るかということが課題です。

今シーズンは飛んでるチョウをじっくり観察して飛行パターンを読もうとしています。
飛行パターンがわかれば先回りして待ちかまえることができますから。
例えば、ツマキチョウのオスは蝶道を作って大きく廻っている。ひたすらメスを探しているようで止ることは滅多にない。一方メスは低空飛行で食草を探しながらある程度決まったルートを比較的ゆっくり飛ぶ。そして花のある場所では、頻繁に止まる場合がある。といった感じです。
ツマキチョウ(オス)巡回中 設定②
ツマキチョウ(メス)花から離れた瞬間。見事に保護色でわかりにくい 設定② 

一番いけないのは急激に近づいて驚かしてしまうことでしょう。
コツバメ 設定⑤ 飛んでくる正面
ツバメシジミ 設定④ これも正面




2 件のコメント:

  1. hiro390さんこんばんわ!
    なんてタイムリーなんでしょう!テレプラス買ったばかりでした!
    僕もいくつかのレンズで試しましたが、やはりレンズの枚数が増えたことによる悪影響・・・というのか、シャープさが減る感じはありました。
    海野さんが魚眼にテレプラスを使ってますが、短焦点のほうが相性が良いのかもしれませんね。
    買ったばかりですが使いどころに悩みそうです^^

    ピント距離と被写界深度の関係、とても参考になります!

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  2. GK.walkerさん 参考になれば幸いです。
    テレプラスはケンコーのMC4 DGX ですが、50mmレンズを標準に設計されているようなのでやはり無理はあるようです。
    AT-X107は逆光にかなり強いレンズですからなおさら粗が目立ってしまったようです。

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