適当にトリミングしてから縮小しています。クリックすると大きくなります。(たぶん)最近の写真はW=1500pxです。拡大表示するとぼやけます。

  

2014/09/30

続 秋の飛翔写真(9/30)

休日に青空が広がると絶好の飛翔写真撮影日和となります。
9月後半の飛翔写真です。

まずは10-17mmフィッシュアイズームによる撮影
Parnara guttata イチモンジセセリ 10mmで撮影距離10cm
レフ板使用で逆光でも萩の花は暗くなりません。シャッタースピード1/1600でも翅がブレているのは羽ばたきが早いのと撮影距離が近いからです。

Lampides boeticus ウラナミシジミ
正面横向きに飛んでいるのは♀。下方の後ろから追っかけているのは♂。
こういったシチュエーションでは飛び方が遅くなって方向も予測がつくので、撮影はやや楽になります。
 普通はすばしっこくランダムに飛回るのでなかなか撮れません。

Tongeia fischeri  クロツバメシジミ
これは10mmで距離5cm設定。トリミングありです。超広角で小さなチョウの飛翔を迫力ある写真にしたければ近寄って撮るしかありませんが、距離5cmはあまりにも近すぎて難易度が高すぎます。500カット撮った中でこの1枚がまともでした。
 とにかく10-17mmズームでの飛翔写真は中型から大型種では非常にうまく行くのですが、小型種では苦労の割には分溜りが悪すぎるます。

 ここで発想を変えてColor-Scopar20mmを使ってみる事にしました。
広角系で飛翔写真を撮り始めた頃使ってみたのですが、画角が狭くかなり難しかったので、使うのをやめていました。しかし飛翔撮影にも慣れてきたので結構行けるのではないか、10mmで撮影する時ほど近づかなくても同程度に撮れるのではないかと考えたのです。
 以下20mmでの作例を何枚かアップします。
Lampides boeticus ウラナミシジミ
Pseudozizeeria maha ヤマトシジミ
Tongeia fischeri  クロツバメシジミ
T. fischeri   翅を開いていると地味すぎます。わずかに後翅の外縁に水色の斑点が見てとれます。
いずれの写真もトリミングしていますが、分溜まりは格段に良くなりました。
発色も良く、しっかり写ります。
撮影距離も10cmから50cmぐらいの間で調節しながら撮る事で中型、大型種でも自在に撮る事ができて、使えるレンズである事が確認できました。
P. maha ヤマトシジミの交尾飛翔。♀が羽ばたき、♂はぶら下がっています。 これはノートリミング
Gonepteryx aspasia スジボソヤマキチョウ撮影距離40cm
Argynnis paphia ミドリヒョウモン 真下から見上げて撮影。撮影距離は20cm
Papilio machaon キアゲハ撮影距離は50cm
Argyreus hyperbius ツマグロヒョウモン 撮影距離は30cm

ここからは望遠系での飛翔写真です。
Parantica sita 高く舞うアサギマダラ  90mmで撮影距離は5mほど
白い斑紋が水色っぽく写っていますがこれが浅葱(あさぎ)色。名前の所以です。
P. maha ヤマトシジミ 200mmで1.5m
地上から30cm位の高さのローアングルで撮っていますがF5.6でも後ろがちょっとうるさい感じです。

P. maha ヤマトシジミ 200mmで1.5m
地面すれすれにカメラをセットしてやっとこのボケです。

Gonepteryx aspasia スジボソヤマキチョウ 200mmで1.5m
200mmでは飛ぶ瞬間をじーっと構えて待つのですが、これがなかなかつらい。
望遠系で背景をぼかしたいなら、バックの近い場所に何も無いアングルを選ばなければ行けません。ローアングルはその一つの手です。
止まっているチョウならばそう難しいことはないんですが。
Libythea celtis テングチョウ 200mmでF5.6 撮影距離1.2m






2014/09/15

秋の飛翔写真など(9/15)

秋のチョウ続編です。
14日は青空が広がって絶好の飛翔写真日和。
ただ、逆光で撮る場合が多いのでどうしても発色が悪くなる傾向がありました。
ストロボでは高速連写できないし、LEDライトは非力で光量不足。
そこで30年前のレフ板を持ち出してレンズに取り付けてみました。
ソフトタイプで直径30cm位、真ん中にレンズを通す穴があいています。
ちょうど犬の首に付けたコンフィーコーンのような姿になります。
10-17mmフィッシュアイズームで撮ったのがこちら。
Minois dryas ジャノメチョウ
Minois dryas
Minois dryas
かなりいい感じで生き生きと撮れたと思います。
ただ欠点は目立ちすぎる事。超広角で迫力ある写真を撮りたければ、10cm位まで近づかなければいけませんが、これだけ大きいと気づかれずに近づくのはかなり大変。
注意しなければいけないのは、驚かして飛びたったり、花を離れる瞬間は体が立った状態で翅を広げているので不自然な感じになってしまう事です。普通に飛んでいるチョウに合わせてこちらも動かないといけません。

Gonepteryx aspasia スジボソヤマキチョウ
Argynnis paphia ミドリヒョウモン(これは順光)
Lycaeides argyrognomom ミヤマシジミ(♂)きれいに青色が出ていません
中型種ではまずまずの成果がありましたが、小型種はまだまだ検討の余地があります。
あまり発色がよくありません。やはり広角飛翔はむずかしい。

一方望遠での飛翔写真は、シャッターチャンスさえ押さえればなんとかなります。
Gonepteryx aspasia (200mm)
かなり大きいヤンマ (200mmで流し撮り)
等速直線運動に近い飛び方なら、慌てずピントを合わせ、シャッターを切ることです。
何回か失敗してもいつかはうまく撮れます。

ほかの写真
Polytremis pellucida オオチャバネセセリ(90mm)
Tongeia fischeri クロツバメシジミ なにやら産卵している様子(90mm)
Tongeia fischeri 卵 (いつもの90mm+40mmリバーススタックレンズで撮影)
ありました。ヒメシジミ属の卵はどれも同じような格好ですね。
他の種に比べて妙に真ん中がへこんでいます。


2014/09/07

秋のチョウ(9/7)

久々に青空が広がった気がする。
スジボソヤマキやヒョウモンの仲間が里に戻ってきた。
そんな秋の日曜日のチョウ達です。
Gonepteryx aspasia スジボソヤマキチョウ
Fabriciana adippe ウラギンヒョウモン
Damora sagana メスグロヒョウモン
Lampides boeticus ウラナミシジミ 卵はみな抜け殻でした
Pseudozizeeria maha ヤマトシジミ 幼虫にアリがきてしきりに触覚でたたいています
Pieris melete スジグロシロチョウ 秋っぽいシーンで
Papilio machaon キアゲハ
秋のセセリチョウたちです。後翅裏面の白点の違いに注目してください。
Parnara guttata イチモンジセセリ
Polytremis pellucida オオチャバネセセリ
Hesperia florinda アカセセリ
Pelopidas mathias チャバネセセリ







2014/09/01

Everes argiades撮り比べ (9/1)

写真をやってて何が気持ちいいかと言えば、狙った被写体が思い通りに撮れたとき、
予想以上にうまく撮れた時の快感でしょう。
うまく撮れれば、よりうまく撮りたいという欲も湧いてくるというものです。

ということで撮影技術の向上は怠りません。目ぼしい被写体となる蝶が少ないこの時期は、
無茶な撮り方も結構試してみたりします。


今回は普段持ち歩いているレンズでEveres argiades(ツバメシジミ)を撮り比べてみました。
ツバメシジミはこの辺にいるチョウの中では最小でしょう。
オオムラサキが手のひらサイズだとすれば、ツバメシジミは親指の爪サイズといったところです。
この小さなチョウが自由自在に撮れれば、他のチョウが撮れない訳がありません。

画角の違いと、どこまで大きく写せるかに注目してください。ちなみに絞りはすべてf8です。
焦点距離10mmで最短距離
17mmで最短距離
17mm+エクステンションチューブ12mmで最短距離
トキナー製AT-X107フィッシュアイズームでの作例です。
フィッシュアイレンズでもここまで近づくと、あの特有の湾曲ひずみも目立ちません。
撮影距離はレンズ先端から2.5cm。さすがに普段こんな撮り方はしません。
逃げられるリクスを負ってまで、珍しいチョウを撮るときには間違ってもやりません。
でも思いのほかうまく撮れてますね。

40mm+エクステンションチューブ(Ext.T.)12mm
40mm+Ext.T.12+20mmで最短距離(被写界深度に翅が納まらずボケてる部分あり)
Ultron 40mmは標準レンズの領域です。昔々のフィルム時代には標準レンズにエクステンションチューブ(Ext.T)をつなげて撮るのがマクロ撮影の常套手段でした。なにせマクロレンズは特殊なレンズで高価な時代でしたから。
 この標準レンズというのは、Ext.Tと相性が良くて12+20mmだと画面いっぱいに拡大できます。
この場合の撮影距離は10cm程度です。小さなものを大きく撮りたいときの距離としては手頃な距離で、花の写真には多用しますが、チョウの場合は逃げられてしまう確率は結構高い距離です。

90mm+Ext.T12+20mmで最短距離
Apo-Lanthar 90mmに同じくExt.T12+20mmとしても劇的な拡大は望めませんが、それなりの大きさには写ります。
長い焦点距離のレンズはワーキングディスタンスを確保できる事が使う目的です。
この場合は約40cm程度でしょうか。普通の90mmレンズの最短距離は80cm位です。

200mm最短距離(1.2m)
普段常用しているのはこのEF70-200F4L IS USMです。200mm端で使うことがほとんど。
特定のチョウを追っている時はそのチョウを撮る為の最適なレンズをつけますが、特に目的がある訳でもなく、里山をほっつき歩いている時にはこのレンズを付けておけば間違いはありません。
 小さな種類のドアップは無理でも画面構成的にはバランスよい大きさに写ります。

以上が普段使いのレンズ4本ですが、マクロレンズを使っていない事にお気づきでしょうか。
そう、チョウの撮影にマクロレンズは特に必要ないのです。工夫は必要ですが。